bamboo art: GEN Mitsuhashi________ 竹アート 三橋 玄



「奉納芸術」コンセプト


アートも、音楽も、踊りも、かつては神さまに捧げるものだった。

その頃、世界はひとつだった。
人々は同じものを信じ、手を取り合って、自然と共に暮らしていた。

自然の豊かな恵みは、人に富をもたらした。
しかし富を得た人の心に欲や恐怖が芽生え、
権力が生まれ、人々は分断され、
私たちは、つながっていたことを忘れてしまった。

長い分断と抑圧の時を経て、私たちは今、転換の時にいる。
再び共生の時代へ。

芸術が人々の意識を広げ、次元を超える。
奉納という芸術・芸能の原点に立ち返ることで、表現者もまた解放される。
自由なかたちの祈りが新しい力を生む。

有史文明以前から続く神道という場を借り、新しい年の始まりに、私たちは芸術の原点を見つめようと思う。
捧げることが芸術の大元。

いざ、奉らん。


2014年 正月 等彌神社「元始奉納芸術祭」の開催



2013年 奈良県のアートイベントとして参加した地元「等彌(とみ)神社」での制作は、
いつしか紅葉の中での「奉納アート」となった。
強風に散る紅葉の中でアートイベントは美しく幕を閉じたが、
神社や地元の人々が「正月まで置いてほしい。」と言う。
私も好きになったこの神社、「ぜひそうさせていただきます。」と答えたものの、
ただ置いておくのも気が引ける。
季節変われば作品も変わりゆきたい、日々移ろいゆくのが「いのち」。
正月までのひと月ほど第二次の制作を続けることにした。

寒風吹く境内で、ひとり作業を続けるうちに・・・(よほど寂しかったのか)
「正月の神社」は、私一人の場ではなかろう、皆で新しい年を祝いたいものだ、と想いが湧き、
音楽家や舞踊家に呼びかけての「元始奉納芸術祭」の開催となった。

準備期間20日ほどの間、驚くことの連続だった。
私の意図を超えて、これだけの内容が実現したのは、やはり神さまのお導きか?

信心薄かった私も、超越した「力」を感じ、新しい世界へと足を踏み入れる。

等彌神社 「元始奉納芸術祭」

2013年12月31日 〜 2014年1月5日

会場 : 等彌(とみ)神社 上津尾社 拝殿、拝殿前
    奈良県桜井市桜井1176(桜井市立図書館 向い)

協賛: 等彌神社 崇敬講

協力: イベントパートナー SAKAI






「等彌神社 元始奉納芸術祭」は、みなさまのご支援により無事に終了いたしました。

奉納参加して下さったアーティストの皆様、ご寄付いただいた皆様、様々なご協力をいただいた皆様、
寒い中で足をお運びくださった皆様、等彌神社の皆様、本当にありがとうございました。

自分の意志を超えたところでものごとが進んでいくのを眺めるような気持ちで、仕事をこなすことができました。
次々に現れるものを受け入れ、批判なく、淡々と自分のやるべきことをやる、その積み重ねでものごとが成る。
自分のやっていることを神事と呼ぶのはおこがましいのですが、
天の意思に沿って動いているような気持ちを持つことができました。

その貴重な機会を与えていただけたことに深く感謝いたします。


以下、「等彌神社 元始奉納芸術祭」のご報告です。
各項目をクリックして、そこに移動できます。


目次

経緯

奉納芸術

目的と意義

元始

プログラム

竹アート 三橋 玄

奉納音楽家 プロフィール

奉納舞踊家 プロフィール

餅つき奉納 プロフィール

楽器の説明

結び


経緯

2013年に開催された奈良県のアートイベント「奈良・町屋の芸術祭 HANARART 2013」の桜井本町会場(会期11月16日〜26日)にて 竹アーティスト三橋玄が等彌神社境内で作品を制作をしました。 制作を通して宮司の佐藤高静氏と出会い、「HANARART 2013」の終了後も展示を続けてほしいとの要請を受け、 お正月に向けた制作を続行することになりました。
その制作の中で三橋玄は「神社というすべての者に開かれた神さまの場で制作・展示する機会を、お正月という大切な時に与えていただいた、 これは、私一人の作品の場ではなく、志あるアーティストたちが集い、奉納し、お祝いする場となるのが相応しいだろう。」という想いに至り、 「奉納芸術ということ」(コンセプト)にある文章を知人アーティストたちに向けて配布しました。
それは12月10日を過ぎてのことでしたが、すぐに多くの奉納参加したいとの返事を頂き、話は知人の知人へとひろがり、 あれよあれよという間にそうそうたるメンバーが集まり、大晦日から正月5日まで6日間、毎日の奉納を行うことになり、 これを「元始奉納芸術祭」として開催することになりました。



奉納芸術

芸術芸能は、人が生きていく上で欠くことができないものと言えるでしょう。
太古の昔から人は絵を描き、音楽を奏で、詩を読み、歌い、踊ってきました。
それらを鑑賞することにも、人は多大なエネルギーを注いできました。
人が人である所以とも言える芸術表現は、なぜ始まったのでしょう?

はじまりのひとつは「神さまに捧げること」であったかもしれません。
今やビジネスやショーとして成立することをも求められる芸術芸能も、
その原点では人に見せるものではなく、祈りや願い、感謝を込めて神さまに捧げるものだったのではないでしょうか?

科学を万能とし神や宗教を不要した時代を経て、物質的成長の限界を体験し、
次なる世界を目指して混迷の中にあるこの時代にあって、人々は新しい価値観を求めています。

芸術はいつの時代にあっても新しい価値観を提示していく役目を担っています。
今、「神さまに捧げる」という芸術芸能の原点に立ち返ることは、 表現する者、それを観る者、両者にとって重要な意味を持つと思います。



目的と意義

「元始奉納芸術祭」の開催は、等彌神社という古代からの聖域が芸術芸能に開かれた、という宣言です。
天岩戸の神話を読めば、岩戸を開き天照大神をこの世に再び戻したのはアメノウズメの踊りだったのです。 等彌神社の御祭神は天照大神です。ここで芸術芸能を奉納するというのは決して新しいことではなく、 むしろ本来の有り様と言えるのかもしれません。 お正月から毎日奉納された音楽や舞いに、きっと神さまもお喜びになったことと思います。

等彌神社は美しい自然に囲まれ神秘的な力を宿した場所です。元々の環境の上に何千年という人の祈りが重なり、 霊力に満ちた場所となっています。それは日本の風土自然と思想文化が凝縮した場で、ただそこにいるだけで気持ちが落ち着き、 心あらたまり、活力やインスピレーションが湧いてきます。 そのような場が、アーティストたちの自由な表現の場として与えられたというのは素晴らしいことです。 そこからはきっと新しい芸術芸能が生まれると思います。

こうした奉納芸術はすべての人に開かれています。誰でもが観ることができます。 観ることもまた祈りであり、力です。アーティストは観られることで新たな力を得、 その作品や演奏や舞いは、強さ、美しさを増すのです。この相乗効果は関わった人々を元気にし、等彌神社という場を活気づけます。

過疎高齢化や核家族化、共働きなどの生活スタイルの変化によって地域コミュニティーは変容し、 その中心存在であった神社もまたその役割や運営のあり方を見直すことを迫られています。 氏子の方々、地域の方々に「元始奉納芸術祭」を楽しんでいただき、元気になってほしいと思います。 また、これを機に地域における神社の役割が広がっていくことを願います。

同時にこれまで等彌神社を訪れたことがなかった人や、存在を知らなかった人にも足を運んでもらう機会となりたいと思います。 神社や地域の維持発展のためには地域の方々とともに、新しい方々の参加も大切になっていくように思います。 「元始奉納芸術祭」がそうしたご縁を結ぶきっかけとなれれば嬉しいことです。
この試みは等彌神社というひとつの場所にとどまるのではなく、より広い地域の活性化への取り組みへとつながります。 芸術芸能の力によって人々がつながり、その地の自然・歴史・文化と融合した表現が生まれ、そこから地域独自の魅力や活力を作っていこうとしています。
桜井市やその周辺には古代からの遺産が多くあり、芸術芸能によってそれらを再発見、再構築していきたいと考えています。 万物に宿る八百万の神々を祀り、おおらかに全てを受け入れる神道の力を借り、新しい芸術芸能の流れを生み出し、神社や地域を力づけ、魅力あるまちづくりの一助になるべく今後も活動を継続していきたいと思います。



元始


「奉納芸術祭」の頭に「元始」という言葉を冠しています。
この言葉は「元始祭」という祭祀の名からお借りしました。

元始とは、「おおもとのはじまり」です。

私たちは芸術芸能の原点を見つめていこうと思います。
「奉納芸術」の項でも書いたとおり、原点に立ち返ることには現在の表現者にとって意味があることと思います。
そして、今回の芸術祭を「はじまり」とし、今後も奉納芸術という取り組みを継続し、ここから新しい芸術・芸能の表現を切り拓いていこうという想いを持っています。

「元始」は一年のはじまり、お正月でもあります。
お正月は日本人にとって最も重要な行事でしょう。家や職場を念入りに掃除して準備を整え、「師走」と呼ばれる慌ただしいひと月を経て新年を迎えます。 年の瀬になると何度も「忘年会」を開き、杯を重ねながら一年を振り返って感謝し合い、年が明ければまた集まって「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」と挨拶を交わします。
まるで日本人はお正月に生まれ変わるかのようです。
運営する側にとっては、この大切な節目であるお正月を返上しての開催となりましたが、その意義は大きかったと思います。 「はじまり」とは気持ちのいいものです。

そのかいあって、アーティストたちからは、「新年からご奉納させて頂き、この一年間新たな気持ちで表現に取り組もうと決意する素晴らしい機会となった。」というコメントを多く頂いています。奉納を観た人々からも「お正月にどの神社に行こうかと思っていたが、『元始奉納芸術祭』の開催を知って等彌神社へやって来た。素晴らしい時間を過ごせた。」という声を頂いています。
また、毎日のように通ってくださった方や帰省中のご家族を連れて来場された方もおられました。そうした時間を多く取れるというのもお正月ならではでしょう。お正月での開催だったからこそふるさととのつながりを感じてくださった方もいたと思います。



プログラム

大晦日(12/31 23時〜年明け1時)
  年越もちつき:  定久家
歳旦祭に奉納する鏡餅をつき、参拝の方々につきたてのお餅を振る舞いました。


1月1日

 0:00〜「歳旦(さいたん)祭」

 14:00〜 奉納演奏と舞
       クリスタルボウル:和泉 貴子、パーカッション:山浦 庸平、笛:近藤 夏織子、舞:水野 永子


1月2日

 11:00〜 奉納演奏と舞
       神歌:石原社中


1月3日

 11:00〜 「元始祭」
        奉納演奏と舞
        ウード:柴山 哲郎、鳳笙:井原 季子、舞:三橋 美和

 14:00〜 奉納演奏と舞
        アルパ:濱口 富子、二胡:山本 大雲、美心音(濱口 富子、藤原澄子、桶谷佳美)


1月4日

 11:00〜 奉納演奏と舞
       鳳笙:井原 季子、笛:近藤 夏織子、舞:松本 志摩


1月5日

 14:00〜 奉納演奏と舞
       IO(大岡 勇矢、山浦 庸平)、舞:Maya


上記以外の「匿名奉納」も行われました。




三橋 玄 竹アート


会期中常時展示。夕暮れより21時までライトアップ。




作品に寄せて・・・

舞うように、軽やかに、歩みを進めたいと思う。

「元始奉納芸術祭」ではほぼ毎日、舞いが奉納される。
舞手はみな女だ。彼女たちの軽やかに舞いは、私たちを天空へ誘(いざな)うだろう。
女の舞いというのは、決して男が手にできないものを持っているように思う。

私たちの実生活を見れば、日々の歩みはなんと重々しいことか。
周囲を慎重に確認しながら着実に一歩一歩足を進め、いつもリスクに思考を向けているのは、長く続いた恐怖と不安の時代の名残りだろうか?
圧倒的な生産力や技術、知識を手に入れた現在の私たちは、そろそろ未来の心配から開放されてもいい。
なのに、私たちの生き方は人類史上かつてなく重々しいとさえ言える。
私たちは過剰な着実主義の重い荷物を担いでいる。
いらないものが多過ぎる。

裸で生まれ、一人で死にゆく定めなら、豊かになったら軽やかにいきたいものだ。
貧しくとも軽やかにいきたいものだ。

軽やかさが、私たちの新しい時代を開く。
先のことは分からない、というのがあらゆる生物の宿命。

それを受け入れ、今この瞬間を感じ、楽しもうとするとき、私たちは自由になり、恐怖や破壊は消えていく。
奉納芸術が、かつて太古に私たちが享受していたであろう楽観的でおおらかな生き方へ導かんことを願い
この作品を「舞う」と名付けた。  (三橋 玄)





奉納音楽家 プロフィール




井原 季子 いはら ときこ (鳳笙)


井原季子

世界各地の文化を集めたシルクロードの終着地・奈良に生まれ、日本文化の栄華を極めた京都にて学生時代を過ごす。
同志社大学文学部美学及芸術学専攻卒業。和歌山高野山の守護である丹生都比売神社にて巫女舞の修練中、笙と出会う。
豊英秋氏、中祥元氏、築山健三氏に師事。
日本の伝統文化と精神性、そして世界に根ざした普遍性を探求しながら宇宙の根源となる音の表現を目指すべく日々研鑽を重ねつつ、国内外・寺社仏閣での奉納演奏をはじめ、様々なアーティストとの合奏を行う。

2007年4月 雅楽翠篁会 「遊雅」 主管を務める。
2007年10月 雅楽翠篁会秋季演奏会 左舞「採桑老」 元宮内庁楽部長 東儀俊春氏の係者を務める。

【奉納演奏】
岩手県 遠野市物見山
和歌山県 丹生都比売神社/玉津島神社
奈良県 丹生川上神社 龍王祭/長岳寺 千燈会/吉野 竹林院/飛鳥川上坐宇須多岐比売神社/桜井 土舞台顕彰会
京都府 岩屋不動志明院 しゃくなげ祭/佛光寺 はな祭り/三時知恩寺 善導大師御法要/瑠璃光院/音羽山 清水寺
滋賀県 近江神宮 漏刻祭
三重県 伊勢神宮 参集殿 他

【個人演奏活動】
2007年7月 京都 黒谷永運院 「ヒカリノオトダマ」 三線コウサカワタル氏(サロード)共演
2007年11月 滋賀近江八幡BIWAKOビエンナーレ 西勝酒造搾り蔵
2008年10月 東京西麻布 北山創造研究所・表参道 H.P.GALLERY 宮川一郎個展 「UH-HUH」
2009年9月 東京南平台 三木武夫記念館 「日本の輝き+承の会」
2009年10月 京都御池 万華鏡ミュージアム 「万華鏡 Night in 新風館」
2010年3月 スペイントレド市 日本文化研究会 なら 「ならの春をはこぶ」 トレド市長招待演奏
2010年7月 リーガロイヤルホテル京都 京セラ 伊藤相談役主催「こころの会」 演奏
2011年1月 NHKカルチャーセンター 京都校 一日講座 「新春を寿ぐ笙のおとたま」 講演
2011年3月 Lardux Films “Le printemps” (Jerome Boulbes 演出 :2012年仏国営放送 放送予定) 参加
2011年3月〜 THE NORTH FACE ” Powwow aeaa Earth Kids Project : 7 Nature Usagi”参加
2011年6月 大韓民国 天安祥明大学による招待公演
2011年10月 京都嵐山 法輪寺 「法輪寺にて月を愛でる」 斉藤アンジュ氏(バイオリン)と共演
2012年5月 京都上賀茂神社 庁屋 「二葉葵展」
2013年4月 明治神宮 参集殿 「いのちの森」 谷崎テトラ氏(key) 岩崎園子氏(ソプラノ)と共演
※2006年〜 セイゲン・オノ SAIDERA PARADISOスタジオ内にて、数回にわたりプライベート演奏を行う
※2010年 Project Si 「Woman with SHO」 (観世流シテ方・早稲田大学国際教養学術院教授 関根勝氏演出) 参加

ブログ 井原季子 「和的ブログ」




柴山 哲郎 しばやま てつろう (ウード)


柴山 哲郎

奈良市生まれ。
19歳で渡米、バークリー音楽院でジャズギター、ブルースギターを学ぶ。
Jim Kelly, mick goodrick 氏に師事。
地元ボストンで top40 バンド、ゴスペルバンドなどの活動を経て帰国。
帰国後、東京,大阪で自己の活動と並行して様々なミュージシャンと共演。
メジャーアーティストのライブやレコーディングに参加。
その後、弦楽器の元祖といわれるトルコの楽器ウードに興味をもち、トルコに渡り Necati Celik 氏に師事。
トルコでセマーのコンサートにも参加。
現在は日本人初のトルコウード奏者として、関西、関東を中心にソロや様々なグループでコンサートホール、カフェ、お寺等で精力的に活動中。
テレビなどにも出演し、ウードの魅力を広く伝えている。




和泉 貴子 いずみ たかこ (クリスタルボウル)


和泉 貴子

倍音セラピスト、アルケミー・クリスタルボウル演奏家。
幼少のころから、音や文字などに色やイメージを感じる「共感覚」を持ち、イメージした音を再現すること、同時に複数の音を聞き分ける才能を持つ。
ピアノ・バイオリン・龍笛・口琴・クリスタルボウルなどの演奏経験から、人や空間によって五感を超えて感じるエネルギー、響きが異なることを体感する。
特にクリスタルボウルの響きが共鳴する反響音(エコー)から、さまざまな情報をリーディングする手法を学ぶ。
いま一番必要な浄化と調和の周波数エネルギーをクリスタルボウルの豊かな倍音の響きにのせ、ハートや細胞ひとつひとつにまで浸透させるヒーリング手法を独自に開発する。

日本全国でボディ・マインド・ソウルをトータルに癒す「倍音ヒーリング」セッションや演奏会、ハーモニングのワークを開催している。
また超脳トレ・イメージ気功インストラクター、ブレスワークのファシリテーター、言霊修道士としての経験を活かし、
「倍音ヒーリング」にイメージや呼吸法を効果的に組み合わせた、願望実現のためのカウンセリング・セッションを行なっている。

ホームページ倍音セラピスト 和泉貴子
ブログ倍音セラピスト 和泉貴子ブログ




山浦 庸平 やまうら ようへい(パーカッション)


山浦 庸平

古代を感じる自然の中で叩き、培った直感を頼りに、うねり流れる独自のリズム表現を追求するパーカッショニスト。
これまでに、民族音楽、ジャズ、ロックなど様々なジャンルのミュージシャンとのセッション、レコーディングに参加。
ご縁に導かれ演奏を重ねる。




大岡 勇矢 おおおか いさや (ギター、歌)


大岡 勇矢

ガットギターを手に、縁深まる様々な場所におもむき、爽やかで柔らかい声と南米音楽等の影響うけた独特のギターヴォイシング、アレンジで歌い奏でる演奏家。
2012年より西日本に移住。あらたな音の出会いを求めて、様々なミュージシャンとのセッションやライブを重ねている。




IO いお 


Gt&Voice:大岡勇矢,Percussion:山浦庸平(前出)によるDuo。
2013年11月結成。独自の表現世界を追求し続けた二人が織りなす音の世界。




近藤 夏織子 こんどう なおこ(笛)


近藤 夏織子

1989年より中世ルネサンス期の霊的な音楽を探求し、リコーダーコンソートを組んで、古楽や現代音楽の演奏を行う。
90年代半ばから、他ジャンルのミュージシャンやアーティストと共演を始め、古楽的な響きの作曲や即興演奏に取り組んでいる。
室生上笠間在住。

近藤夏織子サイト
ブログ「日月出づる処へ」
『チルチンびと』連載コラム「7代先に伝えたい先人の心」




濱口 富子 はまぐち とみこ (アルパ)


濱口 富子

即興アルパアーティスト(音の祈り人)。
童話作家(絵本・やさしさのたね出版)。
アルパという南米パラグアイハープの音色で、今、感じることを、即興で表現する。
2009年より、神社、聖地にて神々に音霊の奉納を行っている。

(主な音霊奉納聖地)丹生都比売神社(世界文化遺産)玉津島神社、海神社、生根神社、大森神社、等彌神社、意賀美神社など




山本 大雲 やまもと だいうん (二胡)


山本 大雲

日本最北端の寺である宗谷岬の大徳寺の副住職。
名古屋芸術大学時代、作詞作曲活動を経て、病院建築などのデザイン、手術部医学会などによる展示会を東京、大阪、名古屋、福岡などで行う。
日本人として二胡の第一人者である仲島千創(せんそう)氏に師事。
ボランティア活動として学童保育、老人ホーム、難病患者、などの施設で二胡、ギター、歌などの演奏活動を行う。
クラシックやニューミュージック、民謡、歌謡曲などジャンルを問わず演奏活動を幅広く行う。
2006年より札幌にて活動中。
現在。津軽三味線と尺八、民謡を前田和男氏に師事。
2008年山形において「座禅と二胡の調べ」コンサート、NHK「頑張れ日本列島」で全国放送された。



奉納舞踊家 プロフィール




水野 永子 みずの ながこ


水野 永子
舞の祈り人。京都市出身京都府在住。
三歳よりクラシックバレエを始め、現在はバレエ学園を主宰し後進の可能性を育むことに心血を注ぐ。
一方で、嬉し愉しの波動が響き合う場を創造することを今生のミッションと心得、
1998年からは異ジャンルアーティストとのコラボレーションによるライブ活動やワークショップなどを開始。
2010年・民族楽器奏者ロビン・ロイドとのユニットGaiaHarmonyを結成。
2012年・プロジェクト虹の舞人を立ち上げ、一期一会のユニットによって世界大調和祈念を束ねる祈り合わせ、神楽セッションなどの活動を展開中。

《舞の奉納聖地》鞍馬寺、天河大弁財天社、社皇神社、等彌神社、神宝神社、臼杵石仏、広島平和記念公園 ほか

facebookイベントウォール『美と調和 愛と感謝の大団円 ☆虹の舞人プロジェクト☆』
facebookグループ『愛と光のネットワーク 虹の舞人プロジェクト』




三橋 美和 みつはし みわ


三橋 美和

ベリーダンサー。
国内およびエジプトでアラブのショーダンスや民族舞踊を学び、イベントや結婚式、パーティー、レストラン等のショーでダンサーとしての活動を重ね、エジプトの衣装メーカーのモデルや日本国内で講師も務める。
2011年東関東大震災を機に東京を離れ、現在奈良桜井市に移住。
歴史と信仰が生活の中に息づくこの土地と人から影響を受け、
これまでの技巧的なショーダンスとは違った本質的な表現を目指し、奉納の舞を始める。




Maya 酒井 摩耶 さかい まや


Maya

ダンサー。
幼少よりダンスに憧れ、踊りはじめる。
東京・ニューヨークにてバレエ、ジャズ、ベリーダンス等習得。
数々のステージ、舞台、大道芸等に出演。
帰国後、本来のゆらぎで生きることが自由だと知り踊りのスタイルを変化させてゆく。
五感を超えて、響く踊りを。




松本 志摩 まつもと しま


松本志摩

三重県伊勢市出身。オイリュトミスト。
98年より14年間、東京都国分寺市の天使館にて笠井叡氏にオイリュトミーを師事。
スイス「Spring Flowers」、愛知万博「UZME」、高橋悠治ピアノによるバッハ作曲「フーガの技法」など国内外で多数の舞台に立つ。
東日本大震災後、故郷である伊勢に戻り活動を始める。

オイリュトミー(Eurythmie)
ドイツの思想家ルドルフ・シュタイナーによって創始された身体芸術。ギリシャ語で美しいリズムという言葉に由来し、言葉や音楽の響きを動くことによって心身の調和を促す。言葉や音楽を目に見えるように空間を創る舞踊表現である。



餅つき奉納 プロフィール



定久家 さだひさけ 


定久家

奈良県桜井市の山村で、夫(さだやん35歳)&妻(すーちゃん34歳)&娘(このは1歳5カ月)&にわとりと共に暮らしています。
夫は、夏には田畑を耕し自給用の米や野菜を作り、冬には山に入り、間伐などの手入れ。
妻は、助産師。なるべく薬に頼らず、女性に本来備わっている力で自然に産めるようにお手伝いしています。
もちつき歴は7年目。
今回は、年越しで、等彌神社への奉納もちと、参拝される皆さまへの振る舞いもちをつかせていただきます。



「元始奉納芸術祭」は大晦日の奉納もちつきから始まりました。
鏡もちを神前に供え、年が明ける0時頃からつきたてのおもちを参拝された方に振る舞いました。
もち米は「東米穀店」様から奉納いただきました。ありがとうございました。
もちつきには不思議な魅力があります。
ドスン、ドスン、と響くキネの音やセイロから立ち上る湯気が寒い境内を活気づけます。
つく者と返す者の呼吸がリズミカルに辺りを盛り上げます。
通りがかる人が交代でキネを振るい、子どもたちも参加します。
みんなでつき上げたもちを手早く配ってみんなで食べる、こんなご馳走はないように思います。
景気良く、邪を払って新年を迎えるのにふさわしいスタートだったと思います。
もち米を育てる田んぼは日本のお祭や神事の基礎になっているように思います。
神さまを呼びながら苗を植え、収穫した稲穂をお供えし、ワラで七五三縄をなう。そしてもちをついて奉納する。
いかにも日本はイネの国、米粒に神の宿る国だと思います。




楽器について



「元始奉納芸術祭」は、世界はかつてつながっていた、ということをテーマのひとつにしています。
飛行機という巨大な高速輸送手段によって世界を旅することができる私たちは、古代にはダイナミックな旅や交流がなかったと考えてしまいがちです。
しかし、アジア、インド、アラブ、ヨーロッパ、アフリカ・・・何千キロの道のりを人々は絶えず行き交い、出会い、産物や工芸、文化、芸術、思想が交換され、融合し、政治や戦争とは無縁の発展を遂げてきたのです。
未知の地や経験を求めて常に移動し、お互いの持てるものを与え合う、おおらかな、雄大な共同体があり、その延長線上に私たちが今享受している文化文明があるのだと言えます。
音楽や楽器、舞にもその遙かな営みが残されています。
ユーラシアの東端である日本と、西端であるヨーロッパの楽器のほぼすべてに共通のルーツがあります。
東大寺の大仏開眼式にはインドやペルシャの大楽団がやってきて演奏したと言います。
ユーラシアを恒常的につなぐネットワークなくしてはそうしたことは不可能だったでしょう。

「元始奉納芸術祭」には古典楽器といってよい歴史を持つ楽器がいくつも登場し、普段行われることのない新しい組み合わせでの合奏が行われました。
そこに、これまで誰も聴いたことがないと思われるような音楽が生まれました。
その響きに乗って舞う舞踊家もバックグラウンドもまた多彩でした。
古きを感じ、新しきを作る、そんな一期一会の奉納が繰り広げられました。
異国的なもの、我が国(日本)的なもの、そんな制約を超えて、私たちの中に眠るダイナミックな記憶が呼び覚まされた瞬間でした。

今回演奏された楽器の内でなじみの薄いと思われる楽器について説明します。



鳳笙



十七本の竹管を、「匏(ふくべ)」とよばれる木製の漆塗りの器の上面にあけた穴に差し込んだもので、
その優雅な姿かたちから鳳凰が羽を休めている姿に例えられ「鳳笙」と呼ばれます。

竹管に空けられた穴を押さえ、匏の横側にある吹口より息を吸ったり吐いたりして、
竹管の下部にある金属製の簧(した:リード)を振動させて音を出します。

東大寺の正倉院には唐から伝来した当時の姿の楽器が三管保管されており、
現存する伝世品としての楽器としては他の収蔵品の楽器とともに世界最古であります。

なお、大陸から日本に伝来して笙となったこの楽器は、 西方のヨーロッパ圏では金属からなるパイプ・オルガンとなり、笙と同様に神前楽器として演奏されています。




【笙 竹管】


雅楽とは
その起源は古代シュメール文明ともいわれ、合奏形態で演奏される世界最古の伝統音楽とされています。
紀元前2000年頃から、林邑(南ベトナム)・天竺(インド)・渤海(満州付近)・チベットおよびトルコやペルシャまで、様々な国の音楽と楽器がシルクロードを経由して中国にもたらされ編纂されました。
その後5世紀前後から仏教とともに日本に伝わり、大宝元年の大宝令によってこれらの音楽とあわせて日本古来の音楽や舞踊を所管する雅楽寮(うたまいのつかさ)が創設されたのが雅楽の始まりであるとされています。
雅楽寮創設当初は、400名近い楽師と各国から運ばれてきた様々な楽器と多様な旋律で編成されていましたが、以降永い年月をかけて淘汰され精錬されて現在の雅楽が出来上がりました。

雅楽の楽器
三管(鳳笙・龍笛・篳篥)、三鼓(羯鼓・鉦鼓・太鼓)、両絃(和琴・琵琶)の8種類の楽器にて構成され、それぞれの音色をかけ合いながら、雅楽独特の世界感を醸し出します。

・鳳笙(ほうしょう)‥天空から射しおろす光、鳳凰の鳴き声を表す。
・龍笛(りゅうてき)‥天と地の間を縦横無尽に駆け巡る龍の様子を表す。
・篳篥(ひちりき)‥地にこだまする生き物の声を表す。




ウード


ウードは主に中近東で使用される数千年の歴史を持つ楽器である。
地域によって形や大きさ、チューニングの仕方が異なり、スタイルも様々である。
ウードは弦楽器の祖と言われ、ヨーロッパに伝来しリュート、ギターに変化したとされている。
また、アジアに伝わったものは中国琵琶、日本の琵琶に変化したとされる。
ギターのようにフレットがないため微分音(4分の1音や9分の1音)が使用できる。
和音はあまり用いないが、微分音を用いたマカーム(音階)は独特である。










アルパ


竪琴ハープのスペイン語。
37本の弦をもつ楽器で、グランド・ハープより小型でペダルがない。
スペイン人によってラテンアメリカにもたらされたといわれ、メキシコ、ベネズエラ、ペルー、チリ、パラグアイなど広い範囲演奏されており、特に盛んなのはパラグアイである。
それぞれの国や民族の文化に根ざし、独自の奏法が工夫されている。
別名、ラテンハープ、インディアンハープとも呼ばれる。

アルパは爪で弾くようにして演奏する。
左手でベース、右手でハーモニーを伴ったメロディを演奏するのが標準。
メロディは薬指と親指で1オクターブ同時に弾くのが基本的である。
楽譜は無く、曲は口伝えで教えられる。
半音がでないため、ジャベ(llave)という器具を用いて半音を出す。
大人であれば素手で持ち歩くことができるほどの大きさだが、共鳴箱が大きく、豊かな響きを持っている。
共鳴箱の側面や支柱には手彫の彫刻や寄木細工などの装飾が施されており、工房や個体によって少しずつ模様が違う。



バラフォン


西アフリカ(ガンビア,セネガル,マリ,ブルキナファソなど)のマリンケ(マンディンゴ)人が使用する木琴。
木製の鍵盤の下に瓢箪の共鳴体をもつ。
17から19の音板をもち,アフリカ南部や南東部,中央アメリカにみられるマリンバ(瓢箪の共鳴体付き木琴)に類似している。






結び



「元始奉納芸術祭」最終日5日の夕方は、これまでに奉納したアーティストや関係者が集まり、焚き火を囲んで自然発生的な演奏や舞が起こりました。
居合わせた来場者も演奏や舞いに参加したり手拍子をとったり大いに楽しんでおられました。
地域の方や関係者から食べ物や飲み物の差し入れをたくさんいただき、フランス、アメリカ、ニュージーランドなどから来ている外国人も参加し、 子どもたちが走り回り、まさに国境や世代を超えた宴が華やかに繰り広げられ、祭の終了を惜しみ、称えました。
それはアートの力で人々が結びつき、笑い合い、地域が元気になるという私たちの願いを象徴した光景でした。

会期中は毎日100人以上の来場があり、等彌神社には
「こんなに活気のある正月はこれまでなかった。」
と喜んでいただきました。
氏子役員様からは
「80歳を超えて、自分は今生きているという実感を持てた。素晴らしい奉納だった。」
との評価を頂き、また来年も開催してほしいとの要望を頂いています。
来場いただいた方々からは、
「これまで名前を聞いたこともない楽器や音楽、舞いを観られ、貴重な体験だった。」
「歴史を超えて人がつながっていることを体感できた。」
「奈良にこんなアーティストがいると知れてよかった。」
「神前での奉納演奏を間近に観れて、なにか神々しいものを感じた。」
「舞いを舞う女性たちの姿が躍動感に溢れ、素晴らしかった。」
「感動した。」
「これからも開催してほしい。」
「これまで知らなかった等彌神社に来れてよかった。」
などのコメントをいただいています。

毎日通ってくださった方もおられました。
奈良市や大阪、神戸などの遠方から何度も足を運んでいただいた方もたくさんおられました。
「そういえば昔の神社は賑わっとったなあ。」と懐かしむお年寄りもおられました。

このような評価をいただけたことは、私たちにとって大きな成果でありました。

「元始奉納芸術祭」には予算がなく、全てを寄付で賄うことで開催を決めました。
そんな中、協力してくださる方々が現れ、照明や音響機材も揃えることができ、
最終的には196,263円の寄付が集まり、不十分ではありますが、関係者の皆様にお礼をお支払いすることもできました。

ご協力、ご奉納、ご寄付、ご来場いただきましたすべての方に心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。

奉納参加いただいたアーティストの皆様も「また是非参加したい。」と言ってくださっています。
「元始奉納芸術祭」の名の通り、これを始まりとして、
今後も奉納芸術の取り組みを続けていく所存でございますので、何卒よろしくご理解ご支援のほどお願いいたします。





「元始奉納芸術祭」は新聞に掲載されました。

2014年2月11日「朝日新聞」




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