bamboo art: GEN Mitsuhashi________ 竹の造形 三橋 玄

作品解説  「竹の道 くぐる」  ホテル アバローム紀の国 神殿回廊

竹の道01

「竹の道 くぐる」は、和歌山市内の「ホテルアバローム 紀の国」の和式結婚式場神殿への回廊である。

新郎新婦や親族、参列者はこの回廊を通って結婚式場に入る。


日本では、祭祀は「神域」で行われてきた。
「神域」に入るとき、私たちは頭を下げ、鳥居や注連縄(しめなわ)を「くぐる」。

この「くぐる」という日本特有の動作には、身を清め、邪を払い、神の前に立つという意味がある。

自然や、場に対して敬意を払い、頭を下げる。
この動作は、日本人特有のもののように思われる。
そこには、自然や神への畏れ、敬いの意識が込められている。

竹の道02

竹の道03"
「竹の道 くぐる」は、そこを通る者に、頭を下げる、という動作を促す装置だ。
絡み合う竹が頭上スレスレに迫る。
通る者は自然と頭を下げる。
その頭を下げる、という動作から「神域に入る」という意識が導かれる。

アタマがカラダを動かすのではなく、カラダが動きアタマがそれを解釈する。

この一見ひっくり返ったようなアタマとカラダの関係が、
日本の伝統や文化、技術の特徴だったのではないかと私は思う。

日本ほど身体に密着した思想や技法を持った国はなかったのではないか。
何かを学ぶとき、型や腰を重視し、言葉の説明は少なく、技や芸は、「見て盗め」と言われてきた。

私たちの生活は西洋化され、生活の隅々に根付いていた日本的な所作や振る舞いの多くは忘れられつつあるようだ。
家屋や衣服、道具などに込められていた意味を読み取れる者も少ない。

しかし、日本的意識の一部は、教えられずともカラダに受け継がれ、
消えたように見えても拭い去れず、
私たちの裡(うち)にあるようにも思う。

結婚式という儀式は、多くの人にとって人生の節目となるのだろう。
新しい世代へとつながる瞬間でもある。
その儀式へ入るとき「くぐる」という動作を促す回廊を通過することで、
あなたのカラダに染み付いた何かを刺激できればと思い、「竹の道 くぐる」を作った。
竹の道04


「竹の道 くぐる」は、地方紙「わかやま新報」で紹介された。
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